泣きたい時は思いっきりここで泣いてって(FIPに苦しむ猫と人に、生きづらい全ての人へ届け)

生後2年と10日でFIP発症のロシブルと飼い主がやってること考えてることをありのままに綴ります

なんで私の猫がFIPになるの?

7月27日に2歳になったロシアンブルーの銀太郎(たろちゃん)

この子は2016年の11月19日に夫の知人から殺処分されそうな子がいるので

○○さんちでなんとかしてもらえない?と相談を受けて、様子を見に行ったら

もうひと目見て、私が一目惚れしてしまって、連れて帰って幸せにしてあげたい!と

お迎えした子

 

ケージの隅っこで、うつろな目をしてまん丸くうずくまっていたこの子は、生後4ヶ月なのに、先住の2匹がウチにやって来た生後2ヶ月頃よりも小さく弱々しかった

 

停留睾丸で、下痢などで入院歴もあったけど、長生きもしないかもしれないけど

とにかくこの子をここから出してあげて、猫らしい猫尊厳ある生活をさせてあげたいと思ってお迎えした

 

ニャンともミーとも鳴かないし、このくらいの月齢の子猫ならスリスリや甘える仕草もするはずなのに、抱っこしてもじっと身を固くしていた

それがまた不憫やらかわいいやら、私が高校生のときに飼っていたロシを思い出し、あの子くらい大きく立派な大人の男にしてあげようと、思ったことを覚えている

 

幸いに先住2匹も崩壊ブリから譲り受けたり、近所で里親募集で貰い受けた子たちだったのもあるのか、思ったよりも新顔をすんなり受け入れてくれた

犬も実は飼っているけど、犬のほうが構いたがって大変だったくらい

 

抱っこも嫌い、くっつくのも好きじゃない

でも…ふとした時に目を細めてこっちを見ていてくれる

夜中にそっと枕元で寝ていてくれる…そんなシャイで愛情表現がわかりにくい子なんだなと思った

猫じゃらしにも先住に気を使って、控えめにして、先住が飽きた頃に本気出してくる子だった

 

うちに迎えてからは特に病気もせず、ご飯も先住と同じかそれ以上よく食べたけど、体重が先住たちの半分程しかなく小さいまま

それがまた私には、いつまでも子猫に見えて、それが可愛かった

停留睾丸の手術をしようか、とかかりつけに相談に行ったり、ワクチンの相談をしていたが、小さいままのこの子に何かあったら…と怖くて、踏み切ることができなかった

このまま元気にしていてくれれば、いや、元気に暮らしてるからいい

完全室内飼いだし、飼い主の私が健康に気をつけてあげればいい…と手術は見送ってきた

クリスマスやお正月、キャットタワーやこたつ、いろいろなおもちゃ、美味しいおやつ

2回目の誕生日も無事に迎えた…幸せな、普通の日々はこのままこの子がおじいちゃんになるまで続くだろう、時間をかけてゆっくり大きくなってくれればいい、そう思っていた

 

おかしい!と思ったのは8月6日の夜

いつもはゴハンをニャーニャー鳴いて催促し、お皿に開ける前から鼻でグイグイ押して来て、よそう側から食べ始めている子なのに…呼ばないと来ないし、お皿に入れても数口食べたらそっぽを向く

夜中にシーバをねだる子が、ねだってこない

翌日は近所のかかりつけが休みなのでとりあえず様子を見た

水は飲むし、おしっこはしている

 

8月7日、更に食欲はない

ちゃおちゅ~る2本だけをようやく食べる、カリカリも数粒、欲しがるけどすぐやめてしまう…なんだか体も熱いし元気がない

夜になると、餌場の台に登るのに一発でジャンプできず、腕でよじ登るまで弱っている

祈るような気持ちで「早く朝になって!」と夜をすごした

かかりつけが開く時間まで、ものすごく長く長く感じた

 

かかりつけでは、特に異常所見がなく食欲がアップする薬(リフレックス)と胃腸の薬(タガメット)をもらい、脱水予防に皮下点滴と抗生剤の注射をしてもらった

その日も翌日も薬を飲ませても食欲はなく、さらに食べる量が減ったので10日に再診した

触診し右の腎臓の表面がゴツゴツしているのでエコーで調べてもらうことに

表面の不正と液体の貯留があった…ただの炎症か、もしくはリンパ腫?とにかく食欲もなく脱水気味なので、皮下点滴を大量に行い、抗生剤2剤に追加してもらった

触るのを嫌がるし繊細な子だとかかりつけの先生はよく知っているので、それ以上の検査は辛いから様子見ようね、と言って下さった

 

しかし!帰ってもちゅ~るすら受け付けず、半強制給餌し1本半がようやくの状況…最悪だ

猫は24時間以上、ものを食べないと肝リピドーシスになってしまう!必死だった

11日すがるような気持ちでかかりつけへ…血液検査してもらう

カリウム値低下と血小板低下以外は悪い数字ではない、炎症の数字は上がってないけどリンパ腫の可能性も捨てきれないので、とステロイド注射が追加になった

幸いに肝機能腎機能は正常だった、無理やり餌を食べさせた罪悪感に「理由付け」できた気がして、少しだけ気が楽になった

 

翌12日、ステロイド打ったにもかかわらず、食欲は全くなし

焦った私はシリンジで強制給餌に踏み切ったけど、激しく嫌がるたろうを見た主人が見かねて幼馴染のアリーズペットクリニックの助川先生に相談してくれた

助川先生はすぐ見たいから連れてこれる?と

車で1時間以上かかるけれど、このままじゃ命に関わるから、と連れて行くことにした

 

血液データとしてもらった検査の結果を話す

丁寧に診察、血液検査とレントゲンをして詳しく調べないと確かなことは言えないけども症状からしFIPを疑うね…かわいそうなんだけど、もう1回血液取って調べていいかい?と聞いてくれた(実は夫からの電話の時点でFIPを疑っていたと後で聞いた)

FIPの検査は結果に3日程かかるけど、食べないならどんどん体力なくなるし若い猫ちゃんだけどこのままじゃ衰弱して死んじゃうといけないから今日も点滴しよう、入院はどう?と勧めてくれた

私はまだその時はFIPを怖い病気とはうっすら知っていたものの、その本当の怖さがよく分かっていなかった、ただ単に、私以外、夫にもあまりなついていないこの子を、いきなり病院に置いて帰るのがかわいそうだったから「今日は連れて帰ります」と言ってしまった

先生は私の気持ちも考えてくれて、ステロイドを限界量やって様子見ようか、とその日は帰宅させてくれた

 

が、食べない…もう餌場に登る事もできないほど弱々しく歩く

夫と助川先生が電話やメールでこまめに状況のやり取りをしてくれていたらしい、夫が「静脈注射じゃないと厳しさが増す!入院させよう」と背中を押してくれた

13日不安そうな顔したたろうを、入院させることにした

14日、点滴が効いてきて脱水はなくなって少しだけ元気になったよ、と

そして15日、FIP抗体値検査の結果が出た、と先生から電話があった

数字はショックすぎて忘れたけど、恐れていた不安が的中した

先生がFIP発症でほぼほぼ間違いないと思う、と申し訳なさそうに伝えて下さった

 

眼の前が真っ暗になり、膝が震えて立って居られなくなった

声を上げて泣いた

 

あんな小さい子に!あんな小さい子が!なんでそんな苦しい病気にならなきゃいけないのか!理不尽にも程がある!

あの子が何をした!おかしいだろ!神も仏も居ないのか!

 

犬も猫も、人の悲しみを察知する

うちの先住猫2匹も犬も、私の足元に集まってなんとかして慰めようとオロオロしてくれているのが分かっていたが、私にはもう自分の感情をコントロールすることすらできなかった…

 

 

続く